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「 第18回 中小零細製造業の調達管理を10倍簡単にする方法 」

第18回目は「 倉庫保管在庫削減 最適な発注基準点を設定する 」です。


15年前に私が実際に体験したことをもとにして

同じ悩みをお持ちの方に少しでも悩みの解決の参考に

なればと思い、当時活動した内容をそのまま書くこと

にします。

参考になるかどうか解りませんが、少しでも興味を

持たれた方は、最後までお付き合いをお願いします。





前回の改善で、余剰在庫を削減する方法について

改善ではないと前置きした上で、実際に取り組んだ

事を例をあげて説明しました。


材料をカットして転用することは、多くの材料で

実施することは可能となります。


しかし、材料をカットすることで起こりうるリスク

を明確にしリスクを回避することを怠ると実施する

前の方がよい結果になってしまいます。


特に、材料をカットする作業で顧客が求めている

品質条件を満たしていないと市場クレームという

大きな問題に発展してしまいます。


実施するにあたり、このようなリスクを正しく管理

し対応することが重要になります。


このような事態を招いた原因が何であったのかを

冷静に分析して根本的な原因を排除することが

本来行うべき改善なのです。



【根本的な原因の分析】


 材料をカットするに至った経緯

  調達条件から自動計算した発注数に対して手動で

  内容を修正していたことにより安全在庫を上回る

  数量が発注されていた。


  日々の使用量により発注数を手動で修正していた

  ことで修正後に自動計算される発注数が必要数を

  上回る数量となっていた。

  
  上記の2点は、調達担当者が在庫切れを恐れて

  発注数が多くなるようにしていたことが原因と

  なっていました。


 原因を分析したことで、調達担当者の困りごとが

 明確になってきました。


 過去に幾度となく材料の在庫を切らしたことにより

 生産工程に迷惑をかけたことがトラウマのようになり

 JITの考え方で在庫管理すると、また在庫切れを

 起こすのではないかと心配してしまい、発注数を減少

 させ倉庫内の在庫を削減することに抵抗があった。

 と言うことでした。

  
 この部分を解消しなければ、今回のように過剰在庫に

 なることは防ぎにくいと思います。



【改善案件22 材料の発注数を意図的に増減させる】


 最初に実施することは、発注数を自動計算させる材料を

 分類しグループにします。


 今後はこのグループ単位で改善を行いますので、あまり

 品番数が多いグループにすると調整するのが1日で終了

 できなくなりますので10~20品番くらいにするのが

 良いと思います。(業者別で管理できればもっと良い) 


 グループにした材料について、一時的に在庫を多くして

 材料切れが起こらない状態を作り出します。


 そして、1週間単位で少しずつ(5~10%)発注量を

 減少させ、倉庫内に保管してある材料在庫を減少させます。

 発注数を下げて様子を見る期間は、材料のリードタイム
 
 を考慮して設定します。


 リードタイムが短ければ、各数値を設定した結果が早い
 
 段階で見れますので、確認する期間を短くして、結果を

 参考にし発注数を増減させ適正な発注量になるように

 発注基準数を設定します。 
 

 リードタイムが長ければ、各数値を設定した結果は直ぐ
 
 には見れませんので、確認する期間を長くして、結果を

 参考にし発注数を増減させ適正な発注量になるように

 発注基準数を設定します。 
 

 大まかな流れは以下の通りです。


  材料をグループ化する


  グループ単位で在庫数を増加する
  

  一定期間毎に少しずつ(5~10%)在庫が削減される
  
  ように発注数を調整する  


  適正な発注数になった材料について、発注基準数を設定

  して完全自動化に切り替えます

  
  定期的に倉庫内在庫を確認し不具合がある時は発注基準数

  を再設定する


 この改善は調達担当者が在庫切れを恐れずに数値を設定する

 ことが最大のポイントで、これができないと根底から崩れる

 ことになり改善は進みません。



【改善効果】

 日々の使用量が多い材料について、発注数の計算を自動化

 することが可能となり、在庫も当初目標としていた数値に

 かなり近づき適正な倉庫スペースとなってきました。


 また、今回の改善活動で調達担当者が在庫を切らさないで

 在庫削減する方法を勉強し実践できるようになったことで

 月間の在庫削減目標をたてて自主的に活動するようになり

 改善活動がスパイラルアップする兆しを見せていたのも

 この改善を進めた頃からです。


 また、調達担当者と荷受担当者が協力しあって、在庫削減

 活動を進め出し改善活動の輪が広がり始めました。

 後に、調達担当者と荷受担当者がペアとなって調達管理を

 行っていくことになるきっかけにもなりました。

 
 少しずつですが改善活動の輪が浸透し始めたことが解る

 活動となりました。



【まとめ】

 今回の活動は、調達担当者の意識を変え、どのようにすれば

 本来あるべき姿になるのかを正しく伝えて理解し実践できる

 までにすることが重要なポイントとなっていました。


 幸いなことに、調達担当者と荷受担当者の協力を得られたこと

 で改善活動がスパイラルアップしていくことができました。


 ひとりの意識を変えるには、ちょっとしたことでも会話して

 困りごとを解決し活動を進めることができる協力体制を作り
 
 あげることで初めて一歩前進できます。


 お互いが相手のことを考え、「このようにすれば楽をできる」

 というような推測をして、お互いが納得するまで繰り返し相談

 して改善活動の内容を決め実践する。
 
 実践後に「うまくいったか」をお互いが確認して修正すること

 でさらなる改善に繋がっていきます。


 改善活動を根性論で進めようとしている方を見かけることが

 ありますが、改善活動は決して「根性論」ではありません。

 また、「言葉」だけではうまく進むことはありません。

 明確な「理論と結果」をもとにして、繰り返し改善活動を

 実践することが重要なのです。


 改善活動に賛同してくれる仲間を1人でもいいので見つけて

 その人が喜ぶような内容になることを実践してください。

 そうすれば、その人は新しい仲間を連れてきてくれます。

 
 今回は荷受担当者が改善活動に賛同してくれたことにより

 改善活動は加速しました。

 賛同してくれた理由は、購買担当者への困りごとの改善活動を

 継続的に実施してきたことと荷受担当者の困りごとや改善案件を

 取り入れた改善活動を進めたことによるものでした。


 改善活動を進めようと思うのなら困りごとを持っている人と

 真剣に向き合うことが一番の近道になります。

 
 次回は調達担当者と荷受担当者の情報共有による在庫削減活動

 について説明します。 



第19回は「倉庫保管在庫削減 調達担当者と荷受担当者の情報共有」です。



最後まで読んで頂きましたこと、まことに感謝しております。

今日の記事で、感じたことや思ったことをお気軽にコメントしてください
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